いつか書く手紙

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カテゴリ:レビュー( 26 )


2008年 02月 03日

幸田文の『きもの』





幸田文の『きもの』を読み返していますが
ほんとうに面白いです。

これは大学一年生のときに読んだ本だったでしょうか?

読み返して途中で本を置くのがもったいないと思うけれど
食事をしたり洗濯物を干すので、ときどき途切れます。
子どもの頃はストーブの前で
しんしんと読みふけるのがほんとうに好きでした。
好きなものに溺れるっていう感覚は
あれのことじゃないかなあ。

『きもの』は
こんなに皮膚の感覚の女の一人語りとだけで
嫌な感じがしないのもめづらしいと思うし
少女だったのが大人になっていくその連続が
継ぎ目なしに見えるのもすごいと思います。
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by writetoyou | 2008-02-03 12:52 | レビュー
2007年 10月 24日

鍵のかかった部屋





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読み出してそのまま読み切ってしまいました。
わたしのようなふまじめな本読みにとっては
読書は疾走感が大事だ
と感じます。
意味より何より。

大人になった今そういう読書の体験はあまりできません。
他にやることがいっぱいあるから。

子供の頃はすべてが義務で
食事も幼稚園もスイミングスクールもピアノも。
遊ぶことさえ
遊ぶ時間が用意されていてそこで遊んでいました。
休み時間、とかね。

その義務の合間はもっぱら
字を読むか絵を描くかしていました。
没頭していたと思います。

いまは会社もあるし
そしたらそれなりに毎日けっこう疲れるし
食べるものは自分で用意するし
妹と話したり
体操をしたり
洗濯をしたり
人に誘われて食事にいったり
かかってきた電話に出たり
することはいっぱいあるから
ずうっと本を続けて読んでいられる時間なんて
なかなかないのです。

会社を夜八時四十分に出るだけで
本が一冊読めるのだから
早く帰る日も必要だと思いました。

今日読んだこの小説では
ソフィーという
主人公の友人の妻で
じきに主人公の妻となる人が
まああまり出てこないのだけれど
柔らかく、聡明で、美しく
彼女にひかれながら読みました。
でもそれはこの小説の主眼ではないのだろうけれども。
もっと彼女に出てきてほしかったけれど
主人公と恋に落ちるところを過ぎると
もうあまり用はなくなってしまったのか
出てきませんでした。

恋愛小説じゃなくて美しい女の人の出てくる小説
が読みたいなと思います。
ほとんどそんなのはないかもしれません。
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by writetoyou | 2007-10-24 02:08 | レビュー
2007年 09月 12日

ビュッフェの描いた歌舞伎絵





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歌舞伎座の階段の踊場にはこんな絵が飾ってあります。
モデルはいまの團十郎だそうです。
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by writetoyou | 2007-09-12 08:45 | レビュー
2007年 08月 05日

映画: 『トランスフォーマー』




感想や気づいたことをメモしておきます。

【あらすじ】
地球外生命体が地球にやってくる。
それはロボットで、機械なのだが生きている。
機械なので直接ネットワークにコネクトして
データを吸い上げたり、ウィルスを注入したりできる。
その生き物には邪悪なのと善良なのの二種類がいるのだが、
かつて彼らにとってパワーの源だったものがいま地球にあって
邪悪な集団がそれを取り返しに来る。
それを善良なほうが阻止しようと戦う。

・カタールの米軍基地全滅から映画が始まるのは、アメリカに住む人にとっては
 妙な生々しさがあると思います。
 中東がいかにアメリカにとってアウェイであり、
 野蛮な人間(アメリカ人から見て)の棲息する場所であり、
 しかも退くに退かれぬ痛い場所となっているか、ということかなあと思います。

・色が綺麗。大画面映えします。
・色の綺麗さと雰囲気は『トルク』(2003年)という映画に似ています。
 善…青、赤、黄色とカラフル
 悪…灰色と黒
 わかりやすくて美しい配色でした。
・車の形が格好いいです。
・他にも、既にある様々な映画のイメージが使われている映画です。

・女の子がメカに強くて車を直す。気が強く、男を立てるタイプです。
・男の子は気が弱いのが戦いを経て強くなるが、割と単純な成長の仕方で、
 ひたすら大切なものを運びながら逃走するのが最大の仕事です。

・地球外生物がワールド・ワイド・ウェブに侵入します。
・地球外からのサイバー・テロというのはこわいです。
・機械を「使う」敵なんじゃなくて「生きている機械」が敵というのはこわいです。
 でも機械なので生物系エイリアンとは違って生々しくはありません。
 血とか体液も流れないし。よかった。
・ネットワークをダウンさせたら人間はおしまいだというのが本当だとしても
 本当に必要な情報がネットワーク上にあるかというと、違う。
 ネットワークはリアルな世界の一部ではあるけれど、
 ネットワークがダウンしても、リアルな世界は無傷で存在しつづけます。

・「テクノロジー」、つまり時間と距離とを超えるものが使えなくなると、
 結局肉弾戦になるというか
 個人の「テクニック」とやる気の勝負になってくる、
 少数の最前線にいる精鋭の兵士、脚で走ること、短波無線、モールス信号、
 自動車を修理して運転する腕、昔鳴らした銃の腕、
 そういうものが勝敗を分ける、という話でもありました。

・地球外生命体は以前地球に不時着しており、
 それをフーバー大統領時代にアメリカ政府は発見したのだが秘密にしていた、
 フーバーダムはそれを隠すための大きな箱だったと、いうのは面白かったです。
 フーバーダムはわたしもいったことがあります。とっても大きいです。

・最初、テクノロジーの進化したこんな時代だから
 機械のエイリアンが来るとあらゆるものがハックされて困ったことになる
 と思わされるのだけれど、そもそもそのテクノロジーは
 すべてフーバー大統領の隠匿したそのエイリアンから得た技術の複製だった
 というのは面白かったです。

・極限状態になると、兵士たちの中でもスペイン語が母語の人間からは、
 スペイン語で言葉が出てきます。
 でも「英語で話せ!」といわれます。そのシーンは執拗に繰り返し出てきます。

・「自己犠牲」「目に見えぬもの」が大きなテーマでした。
 病がかった宗教性なくしては維持されえぬ秩序や力がある、
 という感じがしました。

・女の子が脚を怪我した味方のロボットを車の後ろに乗せて、
 自分が運転し、そのロボットには敵を撃たせます。
 'I drive, you shoot!'と指示します。
 要するに「車いす」なんだけれども、
 映画で車いすの出てくるシーンはたくさんあるけれども、
 こんなにすがすがしいものはあまりないと思いました。
・怪我したロボットを見捨てない、と主張するのがこの少女の役目で
 強くて賢く、モテて、野性味があり、かつ母性があって男を立てる、と、
 少女に対する要求が高いし、わがままだなあと思いました。

・エイリアン騒動に確実に巻き込まれたと思われる主人公の両親が
 テレビの「エイリアンは地球に来ているか」という取材に対して
「そんなことあるはずがないわ。あったら政府が教えてくれて
 隠れていろとかなんとか、指示してくれるはずだもの」
「エイリアンが飛来しているなんて都市伝説の一種だよ」
 と語ります。鈍感にも、鈍感の振りにも見えます。
 母親は自分がアメリカの安全を信じている理由として
 'Because, here is America.'
 といいます。
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by writetoyou | 2007-08-05 02:28 | レビュー
2007年 07月 17日

森村泰昌展 02



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招待で入ったので
チケットの代わりにこんなものを身につけました。
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by writetoyou | 2007-07-17 19:37 | レビュー
2007年 07月 17日

『森村泰昌 -美の教室、静聴せよ』



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オープニング講演を聴きにきました。
雨の火曜日にもかかわらず、かなりの人。

展覧会そのものを教室に模してあるので
講演も「ホームルーム」と題してあります。

横浜美術館にて。
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by writetoyou | 2007-07-17 16:06 | レビュー
2007年 07月 15日

七月大歌舞伎



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歌舞伎座へいってきました。

演目は『NINAGAWA十二夜』です。
菊五郎と菊之助がみられてよかったです。
二年前はチケットが取られなかったので、ぜひみたかったのです。

やっぱり普通の歌舞伎の演目と演出のほうが面白いと思うけれど
みることができて気が済みました。

時蔵の織笛姫が、真っ赤な召物でバリバリのお姫さまで
おっとりした姫さまぶりと
屋敷の主人としての気丈なところと
恋する娘の切なさと
みんな混ざっていて、とても可愛らしい。

歌舞伎には珍しく
ハッピーエンドで好きな人と結ばれるから
両想いになれて、みていて最後嬉しかったです。
「ご両人!」と声が掛かっていました。
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by writetoyou | 2007-07-15 22:52 | レビュー
2007年 07月 12日

映画: 『舞妓Haaaan!!!』



映画『舞妓Haaaan!!!』をみてきました。

とても面白かったです。

阿部サダヲすごいね!と一緒にいった人と感心しました。
わたしは脇役としてしか知らなかったのですが、
すごい展開力というか、伸縮力というか、みているほうはぐいぐいと引っ張られます。
どれだけ変なことをしても、必然性があるように見えます。

邦画の主人公というのは、
劇場で観ている間、
「こんな人物がいまこの映画の中で生きている」というよりも
「この俳優(タレント)がいまこの映画の中でこういう役をやっている」
というふうにしかみえないことが、残念ながら少なくありません。

この映画での阿部サダヲさんは、そして堤真一さんもですが
「ほんとうにそういう人がいま目の前で生きている」ようにみえます。


映画はちょっと中だるみしますが、
カップラーメン会社の一介の社員だった阿部サダヲが
プロ野球選手の堤真一に対抗意識をメラメラと燃やしてバッティングセンターで練習を積み、
いきなり30代でプロ入りを果たすあたりから、勢いがとまりません。


細部は破天荒ですが、筋そのものは、オーソドックスで、とてもすばらしいです。
夏目漱石の『三四郎』や『それから』につながる、
他人の欲望を介してしか自分の心に辿り着けない男の幼児性や
それに振り回される女の哀しさ、包容力が描かれています。

しかも夏目漱石よりもちゃんと進んでいます。

暴力を振るう男の人が登場しないのに対し、
女の人がふがいない男のほっぺたをぴしぴしとひっぱたいて目を醒まさす、
でも男は何度醒めてもやっぱり夢を見ていて、醒め足りない。
でも女は懐が広くて、そんな男を見捨てずに何度でもひっぱたいてあげる、
そんなストーリーです。

ちゃんと、ハッピー・エンドです。いい映画でした。
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by writetoyou | 2007-07-12 19:38 | レビュー
2007年 07月 11日

江戸時代



江戸時代

英語の百科事典でみると、ああそうなんだ、
江戸時代って英語圏の人からしたらこんなものなのだなあと思いました。

きっとこれは、不思議な国です。
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by writetoyou | 2007-07-11 15:31 | レビュー
2007年 06月 25日

横浜美術館




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横浜美術館の前の
噴水のある広場。

子どもが三人
傘を振り回し
声を上げていた。

きゃあきゃあと
甲高い声。
とても楽しそう。

お母さんは
中国語を話す人で
中国語で

あんたらやめなさい!

と注意していた。


写真は
三人のうち
いちばん背の小さな男の子。



横浜美術館の
この前庭は
いま
緑も濃く
潤いもあり
日差しの強い日には
昼下がり
たくさんの人が
憩います。

でも
館内の展示内容も
今回
とてもよく
この小さな美術館で
これだけのオリジナル企画展
たいしたものだと
感心させられます。
(わたしには
以前
学芸員を目指していた時期があります)

展示内容については
また明日くわしく書きます。
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by writetoyou | 2007-06-25 18:24 | レビュー