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いつか書く手紙

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2007年 01月 17日

「久しぶり。」








「久しぶり。」_f0117651_0304245.jpg








土曜日に買った
コムデギャルソンのパンツが
有楽町西武のお店に
預けたままだったので

昨日
裾を直してもらいにいって

六階から
エスカレーターを
カカカカと
右側を駆け下りたら

そうしたら

六階から
五階へ
下りて

くるりと
回って

五階から
四階へと
向かう部分に

ひらりと
乗り移ったとき

変な気分がして

けれどやはり
カカカカと
駆け下りようとして

ああ!
と思った。

立ち止まり、
振り返り、
左側に立っていた人の顔を
失礼なくらい見たら

やはりその人は
高校のとき
同じ一年一組にいた
I川さんで
「I川さん!」
といったら

そのあとの
0.7秒くらい

定期券が
改札機を通るくらいの
間があって

わたしはその間に


この人はわたしを
思い出せないかもしれない

お互いばつの悪い思いをしてしまう
その前に
こちらから名乗ろうかしら

だけど
もう少し待ちたい


と考えていた。




たったの1秒さえなくても

くるくると

考えは
言葉は
体じゅうを
駆け巡る。


スパークするから
暗闇で光が見える。



こんなとき

わたし達は
すごい速さで

迷ったり
ためらったり
疑ったり
窺ったり
逡巡したり
恥じらったり

している。


顔が火照る
その僅か0.7秒。




昨日
そして

すぐに
「ゆりちゃん!」
といってもらえた。



見れば
I川さんと一緒にいるのも
一の一にいた
Bっちで
また驚いた。


カカカカと早足で歩くのを止めた。
ゆっくりと
エスカレーターが下に沈んでいくのに任せて
二人と
一緒に下りていった。
四階、
三階、
二階、
地階・・・と。


携帯電話で

いま
突然
高校のときの友達に会ったから
帰るのが遅くなる


いった。




何年も会わなかった人に
会った。

昨日はそんな
すごい日でした。


いま
一人
夜更けに
部屋で
画面に映る
この文章を
読んでくれている
あなた

または
いま
一人
昼下がり
することがないわけでもないのに
何を追うでもなく
ワールド・ワイド・ウェブの上を
うろうろ
渉猟している
あなた


あしたの夕方
もしかしたら
エスカレーターを下りながら
会うのかもしれません。

この東京で。


そしたら
名前を
呼ぶから

どうか
わたしの
顔を
名前を

思い出して欲しい。





「よろしく」

by writetoyou | 2007-01-17 00:30 |


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